幼少の頃からカラダを動かすのが好きで、小学校３年生の頃からはバーレーボールを始めました。中学、高校では競技と本気で向き合いましたが、選手としての限界も感じていました。そんな時、普段から気にかけてくださった体育教師の先生が親身に話を聞いてくださいました。色々と相談に乗っていただいている内に自分も先生のような教員になりたいという想いが強くなり、教員免許取得を目指して地元の体育大学に進学しました。

大学時代は教員過程を取得しながら、高校時代の恩師に教えていただいて始めたトレーニングに没頭しました。

トレーニングを継続する中で、教師としての道よりもスポーツやトレーニングに携わる仕事への関心が強くなり、いつしかスポーツトレーナーを目指すようになりました。

大学卒業後は、スポーツトレーナー関連会社、鍼灸専門学校、接骨院、スポーツチームなど、さまざまな経験を経て、２０１０年に学生時代からの夢であったトレーニングとカラダのケアができる施設を開設することができました。 ところが、開設して約半年、東日本大震災に見舞われました。

生まれ育った町と住んでいた家や大切な友人を奪った東日本大震災は、大きな心の傷になりました。自分の無力を嫌というほど知りました。トレーナーって何もできないな…と。一度は辞めようと思いました。そのときにいろんな方から励まされて、まずは自分にできることから始めようと仕事を再開しました。

震災から数年間はトレーナーとしてできることを自問自答しながら、米国の大学、スポーツチーム、民間のジムなどの施設を巡りました。

施設を巡る途中でたまたま立ち寄ったサンタモニカのビーチで、自分なりの答えが見つかりました。

サンタモニカのビーチでは老若男女、多くの方々がマラソン、ビーチバレー、インラインスケート、自転車、トレーニングなどを楽しんでいて、一人ひとりが輝いて見えました。

その光景を目の当たりにして「運動を通して限りある人生に輝きを与えたい」

それが私の出した答えでした。

そして、もう一つの頭のモヤモヤも晴らすことができました。

震災後の復興する町を見続ける中で、自然とはどう向き合うべきなのだろうという疑問が常に頭の中にありました。

人の命を守るための高い防潮堤が築き上げられるほど、自然との距離は遠くなりました。

私自身も震災後は海や自然を憎んだ時期もありました。

ただ、小さい頃から海が身近にあり、釣りをしたり、泳ぎに行ったり、何か迷ったらよく海に行って波の音を聞きながら自分を見つめなおしたり、自然に助けられてきたのも事実です。

自然は敵なのか、味方なのか・・・。

サンタモニカのビーチで多くの方々が、潮風を浴びながら海のすぐ側で運動を楽しんでいるのを見て、自然は敵でも味方でもなく、ただそこにあるだけで、私たちはその恩恵を受け、自然に守られているんだと改めて実感しました。

震災前も震災後も苦しいときに私を支えてくれたのがトレーニングと自然でした。

そして、たどり着いた人生のコンセプトが

「からだを動かす、自然と共に過ごす、大切な人と一緒にいる」

でした。

物質的なものが溢れる現代社会だからこそ、心の充足感を大切に生きたいと考えています。

そして、皆さんが心豊かに、毎日を活き活きと楽しむためのお手伝いができれば幸いです。